廃校校舎を再利用　尼崎市役所 開明庁舎と「なないろカフェ」

阪神尼崎駅の南側に、廃校になった小学校の校舎を再利用して使っている、尼崎市役所開明庁舎があります。市役所の支所です。

ぱっと見、普通の学校にしか見えませんが、中に入るとそこは市役所で、住民票や印鑑証明、国民健康保険などの業務を行っています。また、選挙の時には投票所にもなっています。

その開明庁舎の１階に、令和２年４月に「なないろカフェ」という、オシャレなカフェがオープンしました。

オープンした時行きたかったのですが、ちょうどオープンがコロナの緊急事態宣言と重なり、営業時間短縮していたこともあり、行けずじまいでした。

現在は通常営業に戻っており、先日開明庁舎に用があったついでに、気になっていた「なないろカフェ」にも行って来ました。

なないろカフェで、ティータイム

阪神尼崎駅からの行き方

電車で来る方は、阪神尼崎駅の南方面出口を出て、東横インとデイリーヤマザキの間の道を、まっすぐ３分程歩いたら着きます。

看板やのぼりが出てるのですぐ分かると思います。中に入ったら正面は市役所なので、左の廊下を奥に進んでください。

もう、この廊下が小学校そのままです。段々ノスタルジー気分が高まって来ます。

カフェ入り口です。手書きのかわいい看板と、黒板に書かれた手作りのPOPがカラフルでいいですね。期待が高まります。

なないろカフェ店内

平日の昼間だったのですいていました。店内は木のテーブルに呼び鈴など、レトロな感じ。窓のあたりとか、“教室”って感じですよね。席と席の間隔も広く、ソーシャルディスタンスもバッチリです。全体的に広くてゆったりしています。
窓の外に見えるのは、元小学校の校庭で、今は公園として誰でも入れるようになっています。窓から入る自然な光が店内を柔らかく照らし、とても良い雰囲気を出しています。

濃厚チーズケーキをいただく

濃厚チーズケーキと紅茶のセットを注文しました。チーズケーキは濃厚と言っても重たい感じではなく、自然な優しい味わいです。添えられているクリームも甘すぎず、とても美味しいです。紅茶も本格的で、茶葉も３種類から選べます。茶葉が広がるまで砂時計で待ちます。お砂糖もかわいいお砂糖を使っていたり、小物にも凝っています。

カフェタイムだったのでお料理は食べませんでしたが、ランチメニューとディナーメニューを見るとどれも美味しそうですねー。

ランチはローストビーフランチ・生パスタランチ、ディナーはほろ酔いセットやアヒージョなど、お酒に合うメニューなどがあります。

ここのなないろカフェは元学校という物珍しさだけではなく、お料理や飲み物も素材にこだわっていて本格的です。身体に良さそうな感じです。また盛り付けや小物にも凝っていて、とてもオシャレです。

阪神尼崎といえば商店街が元気で、あっちのゴチャっとした庶民的な感じも好きですが、このカフェは阪神尼崎エリアとは思えないオシャレさです。友達来たら連れていきたい店No.１になりました。

開明庁舎と開明中公園

機銃掃射による弾痕が残る塀

開明庁舎は建物自体が歴史ある建造物で、国の登録有形文化財に登録されています。
校庭の塀には、旧開明尋常小学校時代、太平洋戦争末期の米軍機による機銃掃射の弾痕が残っていて、そのままの形で塀が残されています。当時は尼崎でも空襲があり、沢山の犠牲者が出たそうです。戦争の悲惨さを忘れずに、平和な社会を目指すため塀を保存します…と、プレートに書いています。

が、今でも普通に塀として野ざらしで立っているので、知らないと通りすぎてしまうと思います。プレート見ないとただの「塀だな」って感じです。そのくらい周りの風景に溶け込んじゃってます。でも確かによく見ると、たくさんの弾痕が生々しく残っていて、こんなのが空から降ってくるなんて、怖かっただろうなぁ…と思います。この塀が弾を受けてくれたおかげで、助かった命もあったのかな…と思いたいですね。

元、小学校校庭の開明中公園

校庭側から見た開明庁舎です。あの１階になないろカフェがあります。

なないろカフェの窓の外は、小学校の元校庭で、今は開明中公園として誰でも入れるようになっています。「開明中公園」って書いてあるので、ずっとここは中学校跡地だと思っていましたが、「かいめいなかこうえん」と読みます。

砂場とか遊具も少しあって、昼間はよく子供がボール遊びしてたり、お母さん達がベンチに座っておしゃべりしてたりします。元学校だけあって、ちゃんと高さのあるフェンスもあるので、ボール遊びするのには最適っぽいです。

この公園の真ん中位に、大きな立派な木が悠然と立っています。まるで校庭で遊ぶ子供達を見守っているようです。大きくて、１本で堂々と立っていて、なんか優しい。いつまでもこの位置で立っていてほしいと思います。

大人が子供心を思い出す場所

大人になったら学校って普通入らないですよね。最近は入れないのかな。特におひとりさまは子育てしていないので尚更です。普段思い出すこともないけど、やっぱり中に入ると同級生の事とか、給食の事とか、校庭で飼ってたウサギの事とか思い出して懐かしい気分になります。

そんな大人が縁遠くなった「学校」に誰でも堂々と入れるのが開明庁舎で、開明中公園で、なないろカフェです。見た目はどう見ても「学校」で、中身は市役所だったりカフェだったり、地域の人が集まる場として活用されています。尼崎城からも近いので、城の帰りに「なないろカフェ」に寄って、お茶して帰るのもオススメですよ。