見守りサービスって、見守ってくれる人がいないと使えないんだな。

という身も蓋もない事実に、今頃気がついてしまいました。

おひとりさまが孤独死を回避する最後の砦、見守りサービス。

「見守りサービス」でググったら、大手警備会社系、スマホアプリ系、センサー系、宅配系など、いっっっぱい出てきます。

こんなにいっぱいあるのに、いずれも安否確認が取れない場合の「緊急連絡先」を登録しなければなりません。

まあ、当たり前っちゃ当たり前だけど。

それがあれば苦労しないのだ。

詰んだ(゚∀゚*)。早速詰んだ。

「連絡取れなかったらさっさとケーサツに通報して部屋ん中確認して死んでたら焼いちゃってくださーい♪」

という訳にはいかないようだ。(そらそうやろ…)

では、緊急連絡先のないおひとりさまは、どうすれば良いのか?

孤独死者の半分近くは現役世代。

唯一自治体系なら、役所に相談すれば社協などど連携して何とかしてくれるかもしれませんが、たいてい65歳以上とか、対象が限られています

しかし、孤独死者の平均年齢は男女ともに約61歳。高齢者に到達しない年齢(65歳未満)で亡くなっている人の割合は50%を越えています。また50代までの現役世代で全体の40%もしめています。

※2021年6月発表、日本少額短期保険協会「第6回孤独死現状レポート」によるデータ。
↑ 非常に興味深いデータです。一度見てみてください。

なんと、孤独死した人の半分くらいは現役世代なのです。

おそらく本当にいつ召されても不思議ではないようなお年寄りは、それなりに地域の方や近所の方が気にかけてくれてるので、案外早く気づいてもらえるのでしょう。

本当にヤバいのは、昨日までピンピンしてたはずの現役世代。

では、見守りサービスとは一体何のためにあるのか?

見守りサービスは「親孝行ビジネス」である。

民間の見守りサービスって、CMとかでよく見る、

「離れて暮らすお父さんお母さんが心配だわ…(゚∀゚)キラキラ☆彡」

と、見守る方(子供)が申し込む高齢者対象の「親孝行系」がほとんどです。

それはそれで素晴らしいことだとは思いますが、天涯孤独、正真正銘、ガチでマジな真正おひとりさまからすると、「ふーん」って感じ。

つーか本当にそんなに心配してくれる優しくて仲良しのお子さんがいるのなら、見守りサービスなんか要らんのではないかと思ってしまいます。(←ひがみ)

私が思うにそれはおひとりさまではなく、ただの一人暮らししてる人です。「上級おひとりさま」です。

真の「おひとりさま」とは、親兄弟がいない、いても絶縁状態、未婚もしくは離婚で配偶者なし、子なしという、徹底的且つ絶望的に緊急連絡先を頼める人がいない人です。

親族でなくても良いですよ。友人知人でも良いですよ。という場合もありますが、どんなに親しくても、自分が死んでる可能性が高い場合の連絡先とか、そんな重たいこと親族でもない人に頼めないっス…。

自分でそういう生き方をしてきたんだから自業自得と言われればそれまでですが、上手に人と付き合いながら生きられない人間もいて、そんな人間でもなるべく人に迷惑かけずに死にたいと思っているだけなのです。

見守ってほしいというより、早く見つけてほしいだけなのです。液体になる前に。

「見守りサービス天国ニッポン」なのに、増える一方の孤独死。サービスがいっぱいあっても、本当に必要な人が申し込みすら出来ないんじゃ、減るわけがないのです。

現役世代対象 LINEで見守る「エンリッチ」。

唯一、現役世代を対象にした見守りサービスがありますNPO法人エンリッチが運営する、LINEを使った見守りサービスです。

利用登録すると、「毎日」「2日に1回」「3日に1回」「5日に1回」または毎週1回、隔週1回、自分で設定した頻度でLINEに通知が来ます。

通知が来たら、「OK」をタップするだけ。

「OK」のタップが来なかったら、再度通知が送信され、それでも反応がなかったら、登録した本人に電話がかかってきます。

それでも反応がなかったら、登録された近親者に安否確認が取れない旨の電話連絡が行きます。近親者は2名まで登録できます。

近親者がいない場合は、市区町村のケースワーカーや民生委員の方、または住んでいる賃貸住宅の管理会社や管理人などでも良いそうです。

利用料は無料で、このサービスに価値を感じた利用者からの寄付で運営されています。

エンリッチ代表の紺野さんの弟さんが51歳の若さで孤独死されたことで、現役世代の見守りの必要性を感じ、始められたサービスです。

行政との連携も目指しており、今度の発展にも期待が持たれます。

何より、近親者がいない人も見捨てない姿勢が嬉しく、ありがたいです。

運営に迷惑がかからないよう、くれぐれも「OK」のタップ忘れたまま放置したりしないよう、責任持って登録しましょう。

エンリッチ見守りサービス – LINEで安否確認

見守りに頼らず孤独死を防ぐ方法。

エンリッチに登録するのも良いですが、登録したからいつ死んでも安心。自分は何も努力しないよ。ってのは違うと思います。真のおひとりさまたるもの、自分で出来ることは出来るだけ自分でしましょう。

セルフネグレストにならない。

孤独死された方の多くは、セルフネグレスト状態だったといいます。

セルフネグレストとは「自己放任」のことで、自分で自分の身のまわりの世話をしなくなる事をいいます。

具体的には部屋がゴミ屋敷になったり、お風呂に入らなくなったり、病気になっても病院に行かなくなったり…

自分のことが、どうでもよくなってしまうことです。

でも本当にどうでもいいと思っているでしょうか?

好きでこんな状態になっている訳じゃない。こんな自分が嫌だ…。ほとんどの人はそう思っているのではないでしょうか?

しかし一度沼にハマるとなかなか抜け出せないのです。

ひどく疲れている休日、掃除もしないで動けないときもありますが、「セルフネグレストにはならない!」と自分に言い聞かせ、簡単でもいいから掃除と、買い物でも何でもいいから1回は外出するようにして、セルフネグレストの沼にハマらないように気をつけましょう。

かかりつけ医を持つ。

そうは言っても病気で動けなくなる可能性もあります。ホントに緊急にヤバいときは救急車ですが(もちろん自分で呼ぶ…)、そうなる前に、普段の健康管理をしてくれる「かかりつけ医」がいると心強いです

持病もないし、かかりつけ医なんて決まってないよ。って人も多いと思いますが、例えば会社の健康診断で血圧、血糖値、中性脂肪など、「何か」引っかかったら、放置せずに近所の小さな内科を受診します。

きちんと話を聞いてくれたり、説明してくれたりして、感じが良かったら「ここをかかりつけ医にする!」と決めて、ちょっとした風邪でも受診したり、毎年健康診断の結果を持って行ったり、インフルエンザの予防注射を打ちに行ったりします。

威圧的だったり、テキトーにあしらわれる感じの先生だったら、さっさと他を探します。かかりつけ医は、患者が決めるもんです

なるべく家から近くて、訪問診療もしているところだと尚安心です。小さなクリニックでも、話しやすくて信頼できる先生が見つかるとラッキーです。

ファストドクター。

病院が診療時間外となる夜間や休日、スマホで依頼すると医師が往診やオンライン診療をしてくれます。必要に応じて自宅で検査や、お薬も処方してくれます。しかも保険診療です。

コロナ禍になって、よくテレビで見るようになりました。使ったことはないけど、公式HPやツイッターなどの口コミを見ると思ったより良さそうです。

救急車を呼ぶほどではないのかな…?でも不安だな…って時に、医師に症状を伝えて相談できるだけでも安心ですよね。

対応エリアに住んでいる人は、頭に入れておくと良いと思います。

時間外救急の総合窓口「ファストドクター」

まとめ

昨日まで元気だったのに、心臓発作などで突然死する場合もあるので完全には防げませんが、出来ることはしておこう、心づもりはしておこう、ということです。 そのために大事なことを2つ、自分に言い聞かせるためにも書いておきます。

いつも部屋をきれいに。

いつ死んでも良いようにと、かかりつけ医やファストドクターをいつ呼んでも恥ずかしくないように、また、セルフネグレストに落ちないためにも、心がけたい基本だと思います。

掃除もですが、モノをため込まない、増やさない、身軽にしておくことも大事です。

外に向けて「助けて」を言う。

これが一番大事です

真正おひとりさまは我慢する癖がついているので、なかなか「助けて」が言えません。

限界まで我慢すると、SOS出す前に力尽きてしまい、悲惨な見た目になってから発見されることになります。

少し具合が悪いなぁ、いつもと違うなぁ、と思った段階で病院に行く、行けなそうだったら往診をお願いする、ファストドクターを呼ぶ、本当にヤバいなら救急車を呼ぶ。

これが出来れば、部屋での孤独死をかなり防げるのでは…と思います。

孤独死が悪い訳ではないです。人はみな、双子でもない限り一人で生まれ、心中でもしない限り一人で死ぬのです。

問題は、1人暮らしの人が自宅で死ぬと長期間発見されず、異臭を放ったり液体が染みたりして周囲の人に迷惑がかかるということです。

野性動物みたいに死んだらハイエナさんやハゲタカさんがキレイに食べてくれたらいいのにね。

人間は、見守ってくれだの、一人で死んだらアカンだの、面倒くさい生き物なのであります。

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